SV規格の設定趣旨
(1)
オゾン層の破壊や温暖化現象によって、近年地球の環境が悪くなって来ていると言われています。また、室内環境も住宅の気密化・高断熱化の影響や換気不足でホルムアルデヒドや揮発性有機化合物等(VOC)による汚染が問題になっています。
壁紙工業会では人々がより安全に健康で快適な暮らしを営める環境作りに適合した壁紙製品の供給を目的にSV規格を制定しました。
制定に当たってはドイツ品質保証壁紙や日本工業規格JIS A−6921(壁紙)の品質基準を充分考慮し、より高い安全性を追求すべく独自の検討を加えて作成しました。なお、SV規格とは、(Standard Value:標準規格)の略称です。

(2)
平成14年7月にシックハウス対策を目的とした建築基準法の一部改正案が国会を通過しました、平成15年7月1日からはクロルピリホス(防蟻剤)を添加した建築材料の使用禁止と、居室に使用する仕上げ材料にはホルムアルデヒドの放散量による使用面積の規制が始まります。壁紙についてはJIS製品と大臣認定以外は使用禁止となり、JIS製品は使用面積の制限無し、大臣認定品はその認定内容により使用面積が異なります。上記法律改正に合わせて、平成15年3月にJISA6921(壁紙)が改正されホルムアルデヒド放散量の規格値が0.2mg/L以下となり、放散量の等級記号F☆☆☆☆の記号の表示が行われます。SV規格のホルムアルデヒドの試験は従来ドイツのRALに準じたボトル法で試験を行っていましたが、建築基準法の改正に合わせてJISと同じデシケーター法と規格値に変更しました。(平成15年2月20日)今後も建築基準法の改正が行われる予定になっておりますが、当工業会もその都度、対応していく方向で進めていきます。
適用範囲
(1)
壁紙工業会加盟の会員会社が製造、又は販売する繊維壁紙、紙・無機質材壁紙、プラスチック壁紙に適用する。
(2)
壁紙の区分としては繊維、紙・無機質材、プラスチック(塩化ビニル、その他)に分けられます。
製品検査(規格の運用)
(1)
申請書の交付について
壁紙工業会では登録申請書(様式-1)を発行しています。なお、壁紙製造メーカーにご要望いただければ見本帳に記載されている壁紙品番(登録番号)の試験成績書(様式-3)を発行いたします。
(2)
将来の素材や技術の進歩を考え、毎年定期的に規定や試験方法・規格値などの見直しを行い、持続的にSV規格の向上を図ります。