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壁紙は、素材的に見ると紙製、プラスチック製、無機質製、繊維製に分類されますが、ほとんどすべての壁紙に有機物が使用されています。これらの有機物は、空気中の酸素の存在下で光及び熱によって酸化され、物性の低下、変色、退色等の劣化が生じてきます。壁紙の退色性試験は、劣化の主な要因である光のうち特に200〜400nmの波長領域である紫外線が著しい化学作用を持つため、それらの紫外線を発生する耐光試験機により促進試験を行います。試験結果は、試験後の変退色の度合を「変退色用グレースケール」に照らし合わせて判定します。判定基準は1から5号まであって、JIS規格では4号以上を合格としています。
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壁紙に衣類や布等が接触した場合、壁紙表面から着色剤や印刷インキが色落ちし、布に色がつく程度を評価する方法です。壁紙の表面と摩擦試験用白綿布とを摩擦試験機にて互いに摩擦し、白綿布の着色の程度を汚染の尺度として使われている「汚染用グレースケール」を用いて目視にて判定します。判定基準は1から5までありJIS規格では4以上が合格になります。なお、試験は、壁紙表面の素材により試験条件(こする回数)を変えて行い、また使用する布も、乾燥した状態と水に湿らした状態のそれぞれで試験を行います。 |
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壁紙は、通常裏打紙に接着剤を塗り下地に貼り付けます。この下地には、石膏ボード、合板、コンクリ壁や化粧合板などもあります。これらの下地に壁紙を貼り付けるわけですから、壁紙にはある程度の下地を隠す効果が要求されます。この効果を壁紙では隠ぺい性試験結果で表します。試験は、試験片の裏面に「隠ぺい性用グレースケール」を密着させて、左右に動かし、透過して見える程度を目視で評価します。判定基準は、1から4級まであり、JIS規格では3級以上を合格としています。 |
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壁紙は壁、天井に貼って使用されますが、貼る部分は平坦なところ、梁が出たところ(出隅)、角(入隅)があり、貼った後壁紙が下地から浮いたり、剥がれたりすることがあります。施工性試験に使用する試験台には出隅、入隅を設けてあり、試験片を貼った後2、4、24時間後に浮き、剥がれの有無を確認します。合格の判定基準は浮き、剥がれが無いことです。 |
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壁紙は、接着剤を壁紙の裏打紙に塗布して貼りますが、裏打紙が接着剤の水分を含むことにより強度の低下があります。湿潤強度は、壁紙に接着剤の代わりに水分を与えて、壁紙の貼るときを想定して壁紙の強度を測定する試験です。試験は規定の試験片に水分を含ませ、引っ張り試験機で試験片の両端を引っ張り測定します。合格の判定基準は5N(ニュートン)/1.5cm以上です。
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